アルバム：歌でしか言えない リリース：1991年
歌詞：永久欠番 Uta-Net
目次
歌詞の訳
（１節）
どんな立場の人であろうと
いつかはこの世を去っていく
たしかに死んでいく順番は年齢というルールがあるけれど
事故死など 老衰以外の反則もある
街は変わらず回っていく 人1人消えた日も
何も変わる様子もなく 忙しく忙しく先へと時は進む
（２節）
100年前も 100年後も
私がいないことでは同じ
同じことだけど 私が生きていた事実が忘れ去られると思えば淋しい
街は変わらず回っていく 人1人消えた日も
何も変わる様子もなく 忙しく忙しく先へと時は進む
かけがえのない者などいないと 存在を吹き飛ばすように風は吹く
（３節）
愛した人を失ってしまった朝
もう誰も愛する人を作らないと
人は誓ったはず
でも 時間が経てば また新しく愛する人ができてしまうもの
どんな記念碑も 雨風に削られて崩れ
人は忘れられる。 代わりの人などいくらでもいるものだ
確かに生きていた 私という存在を誰が思い出してくれるだろうか
誰も思い出してくれない
（4節）
100億の人々が
私のことを忘れても 見捨てても
仏様や神様の掌の中で
私という存在は記録される
仏様や神様の掌の中で
ひとりひとりの確かに存在していた記録は残される
唯一の存在（永久欠番）として 記憶される
解説
人間の存在の儚さと、救済の答えを歌った名曲である。
この曲は対比関係で構成されており、１〜3節では、人間の存在などかすかなものであり、誰の記憶にも残らない。私が消えたところで経済には何の影響もなく、身近な人以外には私が死んだ事すら気づかれないものであり、人間とはちっぽけな存在であると歌われている。
対して４節では、100億人の人々が私の存在を忘れてしまっても、確かに存在したことは宇宙の中で記憶され、代わりの人など一切存在しないのだと歌われる。
これまでの歴史で、何100億人と亡くなり、生まれてきました。
今生きているこの時は、 地球の歴史の中ではほんの一部にしか過ぎません。
人の命や存在価値など、すぐに忘れられるものです。
もちろん、家族や親しい友人であれば、亡くなった方を忘れることはないでしょう。
それでも、最初は立ち直れないほどの悲しさに襲われても、時間が経つにつれて少しずつ忘れられるようになり解決するものです。
今、私が死んでしまったとしても、世界にはなんら影響ありません。
世界だけでなく、市町村単位で見ても影響がない。
家族と彼女と親しい友人の合わせても10人も満たない人たちが悲しんでくれるだけです。
人の命は尊いものだ！と反論したい方がいれば、質問させていただきたい。
あなたは１時間前の死亡事故のニュースで流れた方の氏名を言えますか。
たった１時間前に死亡した方の、しかもニュースで全国に伝達された方の氏名すら答えられません。
全くの他人がこの世を去っても、あなたや私には全く影響が無いのです。
“人間などちっぽけなものだ” と理解した上で、中島みゆきは ”それでも人間は尊いものだ”と説いています。
人々からは忘れ去られたとしても、仏や神様はあなたの存在を覚えていてくれていると説いてます。
あなたや私には代わりの人間など一切おらず、これまで存在してきた人々にも代わりの存在はないのです。
栄誉と栄光の歴史を末永く称えられ、唯一無二の存在である永久欠番なのです。
この曲に合うお酒
この曲に合わせて飲むなら、グレンドロナック12年はいかがだろうか。
マッカランに劣らない味わいでありながら、マッカランの半額の値段で購入することが出来る逸品だ。
飲み方は、ストレートかロックで、曲を聴きながらちびちびと味わって欲しい。
シェリー樽由来のはちみつや懐かしい草原のような香り、奥行きには少しスパイシーさも感じられる。
味わいはとても甘めであり、ビターチョコのような香ばしさも感じられるウイスキーだ。
手元だけが見えるくらい部屋を少し暗くし、音楽だけを流し、スマホやPCを触らずに歌と酒だけに集中する。
そして過去を振り返りながらゆっくりと時間が経つのを楽しむと良いだろう。
オススメの曲
たかが愛
恋愛で悩んでしまったり、立ち止まってしまったらその愛を捨てればいい。そうすれば今の悩みは解決できる。
愛を”たかが”とあえて軽んじる表現をし、人間は、その”たかが”を捨てられないのだという、ラブソングです。
知らない人の笑顔や暮らしが失われても何も思わないだろう。知らない人を物のように感じ 扱ってしまう。
自分のことで精一杯になっていないか？相手のことを尊重できているか？知らない人に対して慈悲の心を持っているか？
中島みゆきはこの歌を通してそう伝えている。
