
アルバム:夜を往け リリース:1990年
歌詞:with Uta-Net
目次
歌詞の訳
(1番)
僕の言葉は、相手には響かない。
相手に自分の心を伝えようと頑張るけれど、上手く伝わらず、まるで遠い砂漠を旅しているような孤独感に苛まれる。
人々の心は殻(ガラスの城)に閉じこもっており、心のドアを開けることができない。
疑心暗鬼になり、自分の身を守ろうと必死になっている まるで戦争の仕度をしているみたいだ
生きること(旅)自体 辞めようとは思わない
これからの予定(手帳)にはいつも、旅立ちとメモしてあるけれど
(サビ)
これからの人生を、君と一緒に歩んでいきたいと言っていいか
独りぼっちでは 寂しくて、虚しくて、誰かを疑い続けながら生きないといけないから
これからの人生を、君と一緒に歩んでいきたいと言っていいか
独りぼっちでは 寂しくて、虚しくて、誰かを疑い続けながら生きないといけないから
(2番)
母親のお腹の中で僕は夢をみた
僕は誰と一緒に人生を歩んでいくのだろう
これまでの人生で僕は教わった
みんな自分のことで精一杯で余裕がないのだと
誰だって独りで生きていくことはできるさ
でも、独りぼっちでは泣くことはできても
独りぼっちでは笑うことはできない
(以下サビ)
解説
この歌詞は、比喩表現がほとんどで構成されており、歌詞の解釈が難解である。
“遠い砂漠” “ガラスの城” “戦争の仕度” “旅立ち” “with”などの比喩表現がオンパレードであるため、必ずしもの正解はなく、人それぞれの解釈の違いが生じるが全ての解釈が正解であることを最初に言っておきたい。
たとえば、”ガラスの城”という言葉をイメージするにあたって、心理的状況によって城の形が変わってきたり、人それぞれの過去の経験からイメージ像が異なることからも、解釈が異なってくる。
大きなガラスの城をイメージする人もいれば、城ではなく小さな家と言ったほうがいいくらいのガラス張りをイメージする人もいる。
比喩表現であるからこそ解釈の違いが出てくるのが中島みゆきの最大の魅力だ。
この歌は日本に存在するラブソングの中で、1位2位を争うほどの完成されきった楽曲である。
また、この楽曲が世間に評価されていれば、世間に出回っているラブソングも違った形となっていただろう。
現代の理想論たっぷりで綺麗事を綴ったラブソングではなく、リアリズムを追求したうえでの、あなたと結婚したい素直な理由を 心の底から打ち明けているのだ。
「君を幸せにするよ。僕は君を幸せにするために生まれてきたんだ!」「僕は君の笑顔を見れるだけで生きていける!」などのクソッタレた綺麗事をつらつらと並べただけの楽曲では無い。
なぜあなたと結婚したいのか。それは、独りぼっちだと寂しいから。独りだと虚しいから。
一人きりでは生きていくことができないから、あなたと一緒に人生を歩んでいきたい。だから結婚して欲しい。
人間は自己本位であるという前提は忘れては絶対にならない。自分が誰よりも一番可愛い生き物だと理解しているはずだ。
本当の危機に陥りそうになったとき、誰もが自分の身を守るためならば相手を捨てることができる。
だからこそ、「結婚しよう」という言葉には、綺麗事ではなくリアルを噛み締めた上で伝えなければいけない言葉である。
自分が幸せでなければ、相手を幸せにすることは出来ない。
国民の幸福度調査が低い水準であることからも、ほとんどが自分のことすら愛せていない。
自分のことで精一杯で、自分のことすら愛せていないのに、なぜその過程をすっ飛ばして「あなたを幸せにします」と言えるのだろうか。
あなたと一緒になれたら、自分は幸せになれます。その上で、あなたと一緒に幸せになりたい。それが本当の愛なのだと中島みゆきが伝えている。
この曲に合うお酒
この曲に合わせて飲むお酒は、REMY MARTIN XO(レミーマルタン エクストラオールド)だ。
生半可な酒では、歌と酒のランクが釣り合わなくなってしまう。
俺はいつ飲まれるのか?いつ出荷されるのか?と長熟されつつも天使の分け前から勝ち残り、甘ったるい程の濃厚さと他者と差別化を図らんばかりのボトルで構成されたREMY MARTIN XOを合わせていきたい。
色味は、長熟の記しであるゴールドを通り越した赤茶色。しっかりと樽の色が付いている。
香りは、マルセイ・バターサンドを彷彿させる。ブドウ原材料のブランデーのはずが、ラムレーズンの香りしか
感じ取る事が出来ないほど、濃厚だ。また、樽由来のバニラ香や接着剤のエステリーさも感じ取れる。香りだけで高級品だと分からせてくる。
口に含めば、粘度の高さに驚きを隠せない。最初は甘さだけが感じ取れるが、次第にタンニンのような渋みが出てくる。樽をイメージ出来るぐらい、木の味わいもしっかりと感じられる。
余韻はずっと残り続け、鼻から香りが消えない。
価格はそれ相応だが、1年以上かけて飲むことができるため、初期投資だけで後はゆっくりと飲めるので是非とも入手して欲しい。
オススメの曲
たかが愛
恋愛で悩んでしまったり、立ち止まってしまったらその愛を捨てればいい。そうすれば今の悩みは解決できる。
愛を”たかが”とあえて軽んじる表現をし、人間は、その”たかが”を捨てられないのだという、ラブソングです。
I Love You,答えてくれ
愛する相手がいること、相手を好きでいられること、それだけで幸せなんじゃないのか?と聴き手に訴えかけ、愛すること自体が幸せなのだと気づくことが出来る曲です。